もくじ
ウリハムシとの戦いの日々
ウリハムシは本当に厄介な虫。
ウリ科の栽培を始めてからというもの、何度もその被害の想像を絶するひどさに愕然としてきました。
今にして思えばなぜもっとこの問題に真剣に向き合って対策を考えてこなかったのか情けなくばかり… 酷いときには一日苗を見なかっただけで葉っぱがスカスカに食われている有様。
その時々で諦めたり、再び苗を育てて同じ場所に定植したり、とやっていました。 また、ニンニクと酢を漬けたものを噴霧するとウリハムシがやってこないからと試してみました。
噴霧したばかりは確かに寄ってこない感じだったので安心していて、その後見に行くとまたいつもと変わらない様子で全く効果なしでした。
それならとホットキャップをやっていた時期もありましたが、ここ愛知県では最近は4月でも25度を超えてくるため、暑くなりすぎてぐったりする苗を見て無理と判断。
そんな様々な対策を施しましたが、結局は消去法から「やはり行灯を極めるしかない」と思い立ち、試行錯誤した結果、やっと完全な答えが見つかりました!
行灯に行き着く
行灯は防風、保温、防虫に効果があるとされていますが、この防虫がウリハムシにも当てはまるとはあまり考えたことがなかったです。
今更ながらよくよく情報を見てみると行灯はウリハムシに効果ありって書いてあるのを見つけたりしましたが。
だってウリハムシって羽で飛ぶんですよ。
とてもすばしっこくて捕まえるのも一苦労なため、上がスカスカに空いている行灯が効果あるって普通考えます?
垂直に降りることは苦手だから行灯でも充分効果があるってことらしいのですが、正直そんな訳ないと疑っていました。
私の栽培方法
ここで私の栽培方法を紹介しておきます。
ひょっとしたら私と違う栽培方法の場合、私と同じ効果が期待できないかもしれませんので。
2017年より3a(現在は5a)の畑にて栽培を開始。
主に野口種苗研究所で固定種を購入して自己採種を繰り返しており現在7年目になります。毎年小っちゃいハウスにて山で集めてきた落葉で製作した踏込温床にて自作苗を作り続けています。
不耕起栽培でやっていることもあり、本葉3、4枚の比較的若苗で定植することでじっくりと畑に定着してくれることを期待するそんなやりかたです。
肥料は自作のボカシ肥料がメインですが、最近は化成肥料を多いときで半分程度混ぜたり、油かすと米ぬか、モミガラ燻炭も使います。
農薬関係は一切使用しておりません。
どうしてもここだけは貫き通したくて、栽培を始めてから一回も購入したことはなく、もちろん使用したこともありません。
そのため苗を購入して栽培したり、耕起した畝やプランターで栽培されている方や肥料に化成肥料のみを使用の方の場合、ひょっとすると同じようにやっても効果が変わってくるかもしれません。
ターニングポイント
今年、自作した夏節成キュウリの苗を定植した際、全てに行灯を設置しました。
その後本葉が次の本葉が出始めて苗が動き出した2週間程度したときに行灯をすべて外しました。
その際に成長不良の苗が一株あったため、予備でポットにて育苗していたキュウリの苗を補植しましたが、それにも行灯をせずに定植してしまいました。
2日経ったのち、補植した一株の苗だけがウリハムシの被害にあっていたのです。
それ以外の苗はわずかに被害にあっているがほぼ無傷だったにもかかわらず。
こんなことから仮説として、
苗は定植後にしっかり根が定着したため、葉の成長に力点が移りウリハムシが食べようしない
それ以外の苗も被害を受けていたが、被害が目立たないぐらいに葉が大きくなっていた
などの理由で被害にあっていないのではと考えました。
栽培方法
実際にどの要因で被害に遭わないかはまだまだ謎なのですが、
行灯を定植時にきちんとやっておけばウリハムシに有効なのは間違いないと確信しました。
また、花が咲き始めると花にウリハムシが多く集まる傾向があるので、花が咲けば自ずと葉の被害もなくなることも経験上確認できていたため、花が咲くころになると花にウリハムシが集まって、むしろ虫媒花としてせっせと働いてくれている印象もありました!
結論として
ウリ科の栽培時には、必ず行灯を設置して定植すること。
行灯の最低設置期間は、定植苗の根が定着する2週間は必要。
行灯の最も長い撤去時期は、行灯の上からツルがはみ出してくる頃か、花が咲く頃の後に撤去。
ウリ科のカボチャ、キュウリ、ズッキーニ、マクワウリ、メロンなどは面倒でも、この三点を守って栽培すれば少なくともウリハムシの被害で苗がやられてしまう心配はなくなるでしょう。
ちなみに、写真の行灯は私のやり方で、普通は4本の支柱で四角型に行灯を設置するのですが、少しでも手間と材料を省こうと三角型でやっております。
四角型に比べて断面積は小さくなるのですが、それよりもローコストが好きですのでおすすめです。